2008年05月15日

豊中市・宝塚市視察

5月12日(月)〜13日(火) 
 今回の視察は全国自治体議員行財政自主研究会の鈴木規子西尾市議の企画にご一緒させて頂きました。豊中市では「すてっぷ」「文化行政について中川幾朗氏の講座」、宝塚市では「鹿塩の家」と地域福祉の取組み、「エル」訪問と、充実した二日間となりました。

◆豊中市
(1)「すてっぷ」…とよなか男女共同参画推進センターを視察
企画展示「石井桃子」「岡部伊都子」 02年すてっぷ賞絵本「ママとパパとぼくとわたし」
 阪急豊中駅前エトレ豊中の5・6階にあるセンターへ直行。2000年開館。この春館長に就任された、中村彰氏はジャーナリストで、男性学がご専門の1947年生まれ。男性側からの男女共同、男性相談もあるべきではと、フリーな立場で取り組まれているお話を伺うことができました。
 2006年度、指定管理者制度導入により、「財団法人とよなか男女共同参画推進財団」が指定管理者となる。
 情報ライブラリーを中心に、情報事業に290万、図書に250万、相談事業914万、講座・啓発に470万。資料は17,100点あり、貸出は20,166件。相談は2,453件。この5ヵ年を見ても、そのうちの20%はDV。<平成18年度事業報告より>
 施設全体はゆったりとしてあったかい。ここにきて良かったと思うつくりになっている。ことに情報ライブラリーの利用の高さ。タイムリーなサービスは「石井桃子」「岡部伊都子」作品がテーブル紹介されていたことからも明らかです。また、相談事業の重視は、来談者のための待合コーナー、交流室、相談室と至れり尽くせり。もちろん子どものためのプレイルームも自由利用のオープンスペースと会合時の保育用の両方が完備。相談事業の大切さがここには形としてあり、件数としての実績が「今の男女の問題」を語っていることを確認。
 施設全体稼働率50%前後。国際交流協会との施設併合が行われるとの予告がありました。利用実績と「共同参画」の実態に相応した施設のありかたに、市民の声や指定管理者制度がどのように生かされるのか、引き続き注視して行きたいと思います。
 絵本原画展開催中でしたので、02年すてっぷ賞絵本「ママとパパとぼくとわたし」(もぎしずえ えとぶん)を購入。
(2)帝塚山大学大学院法政策研究科・中川幾郎氏講座「図書館の公共性を発展させるために〜図書館づくりはまちづくり〜」
中川幾郎氏講座
 宿泊先を兼ねる豊中駅前のホテルで受講。氏の著書「分権時代の自治体文化政策」〜ハコモノづくりから総合政策評価に向けて〜(勁草書房)(中央図書館にあります)に添っており、今の豊橋市にぴったりのテーマでした。
 なぜ図書館か、それはユネスコの理念などに基くこと。どういう図書館が必要なのかでは、「文化行政」の問題点を深く鋭く突かれており、うなずくことばかり。今図書館が直面している問題として、行政改革の落とし穴を見抜くこと、図書館自己評価システムの意義と見方についても言及されました。昨年私が田原市で、氏の講演で学んだことを、豊橋市の直面する問題点に重ね、「自治体文化政策」の時代の自覚へと、一歩近づくための切り込みにしたいと思います。
 30年以上にわたり、豊中市の図書館行政の方向を市民の側から提起されて来られた安達みのりさんからも貴重な実践を伺うことができました。「学校図書館」に関して安達さんから私は今までも情報を頂いてきましたが、豊中市の「子どもと図書館」の裾野と深みについて改めて学ばせて頂く機会となりました。

◆宝塚市……人口22万人面積102Ku/高齢化率20%/一人暮らし高齢者約9千人/社会福祉協議会職員数370名(うち契約職員290名)/予算規模は介護保険後2倍強の13億円に。(行政からの補助金は1億数千万円)
(1)「NPO鹿塩の家」〜民家活用小規模ディ事業〜を訪問。
NPO鹿塩の家
 「夏も近づく〜〜〜♪」前庭からは、澄んだ歌声が。認知症などで独居されている方々が、できる限り自立して家庭で過ごされることを保障しようと、社会福祉協議会の地域福祉が、明確な方針と「人」中心の臨機応変さを併せ持って展開されていました。
 介護保険を地域福祉に生かすために、ブロック単位で「職員」を配置=行政責任の明確化、地域の住民参画を促す仕組み=社会福祉協議会の働きが相乗効果となって、宝塚市のまちに歌声が流れるようになっているのです。
(2) 宝塚市の地域福祉推進のためのネットワークづくりについて、「よりあい広場」に移り、佐藤寿一事務局長、光明地域まちづくり協議会福祉部高梨全弘部長、中八重子副部長から伺いました。
よりあい広場
 従来からの自治会組織と「まちづくり」組織を社会福祉協議会の地域福祉の取組みが、乳幼児から高齢者までを含むため、地域崩壊ならぬ、地域再生の原動力になっていると思います。豊橋市の方向としてどこまで「まちづくり」のエネルギーが生まれるのか。
 先進事例とし注目したい点は、まだあります。7ブロックに分け、担当者を配置し、実際の地域福祉の取組みを促しながら、交流、継続するための、社会福祉協議会が黒子に徹していられることです。ことに私は「福祉のラウンドテーブル」に関心を持っています。今まで私の中で温めてきた「まちづくりのためのラウンドテーブル」構想は、絵に描いた餅にもならないことに気づきました。地域福祉とドッキングさせる視点を豊橋市ではどこまで描けるか。できること、できるところからの実践に、私たちのまちでもすでに取り組みを初めていらっしゃる市民の皆さんを、しっかり応援したいと思います。
(3)宝塚市男女共同参画センター・エル
木崎いづみ所長宝塚駅に隣接するビル「ソリオ2」4階へ。「どうぞご自由にお入りください」と、玄関に大きな看板。ほっとする。ホールの中心にテーブル、周囲にソファーと、目に入ってもお互いの視線がぶつからない。充実した活動が支える賑わい(静かです!)と活気(利用されているグループ、個人の、それぞれの動きが生き生きと伝わる)がみなぎっている。
 宝塚市では平成6年から20年度「女性ボード」の取組みが行われており、女性の社会と政治参画への原動力になっていると、昼食のテーブルで聞き、帰途、「エル」訪問となったのです。
 5ヵ年の指定管理者を受けていらっしゃる、木崎いづみ所長(特定非営利活動法人 女性と子どものエンパワーメント関西)から直接お話を伺うことができたのも幸いでした。
 受け皿となるNPO市民活動があり、行政とのつなぎができる人材が存在していること、ミッションを明確にした活動が展開されることで、施設のにぎわい=稼働率のアップとなり、自主グループが続々誕生している実態も伺いました。まさにこれこそアウトカム。
 男女共同参画推進と地域福祉の先進地を視察できた二日間。樹齢100年を越す槙などの大樹が林立する庭を囲むホテルは、駅前であることを忘れるほど、静かで落ち着いていました。しっかり充電して、六月議会に向かいます。
豊中駅前のホテル景観


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posted by 渡辺のりこ | コメント(0) | 視察・調査
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