6月9日 のりこの「一般質問」より
●公共図書館サービス向上の諸課題について
第一問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
質問:
貸出密度からみる公立図書館の整備状況08年度調査(日本図書館協会)
に照らして本市の位置と課題の認識、本市独自の図書館サービス向上のために今後必要とされる職員体制の整備・充実の方針についておたずねします。
答弁:
貸出密度からみる整備状況は、人口規模別に、特に貸出密度の高い上位10%の市町村の図書館の施設整備規模や職員ならびに蔵書冊数や貸出冊数等々、諸指標の平均値を公表したもので、数値比較からみれば、本市はこれらの数値を下回った位置にありますが、公表されたものは、秀でたひとつの参考指標かと認識しています。
貸出密度から本市図書館の状況を検証すると、市民一人当たりの利用冊数や図書資料の回転数などに課題をもっており、休館日や貸出冊数、貸出期間の見直しなども、今後必要となってくると考えております。
このためには、職員の資質向上はもちろんですが、効率的な業務処理のために、近年普及の著しいICチップをはじめとした技術革新に対応したシステムの導入など、多角的な検討も必要と考えております。
利用者の視点に立ち、良質で効率的な図書館サービスの充実を図って参りたいと考えております。
第2問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
質問:
登録者数18万8398人は、他都市をはるかに越え、ダントツ。
この数値に見合うサービスを充実させる職員体制の整備・充実にはとの質問への答弁で、資質向上と効率的業務処理とされた。
実施には、正規職員は現在の2倍、非常勤・嘱託職員は3倍が必要とされるところであるのに、資質向上だけで可能か?また、効率的業務へのICチップなどの技術革新は、今すぐ導入できるだけの段階ではない。
となると、現在の本市の図書館システムの人的配置を考え、最大現活用する方策を考えるべきである。
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そこで地区市民館21館に司書資格職員の配置することで、「正規職員数」換算で倍増となる。
校区市民館52館に司書資格者配置すれば、「臨時職員数」換算で3倍強となる。
市民館の図書室が今後大きな役割が期待されることを考え、市民の
一番近いところから、サービス網を補強すべき。ご所見を伺います。
答弁:
市民に近い市民館のサービス充実については重要と認識している。現在市民に近い図書館サービスの一環として、ネットワーク予約の受け取り館の拡大を行っており、昨年度からはインターネット予約の受け取り館サービスも開始しております。このため、市民館主事を対象とした研修をはじめ書架整理のため臨時職員を配置するなど、図書館サービスの機能の充実を図っているところです。
しかしながら、図書館分室として設置されている地区市民館・校区市民館は、蔵書や施設面で、本来の図書館サービスの展開は難しいと考えておりまして、現段階におきましては、市民館への司書職員配置の考えはもっておりません。
今回の質問の定量的な指標も重要ではありますが、図書館の利用者に満足していただくには、まずは職員の資質の向上、つまり、豊富な知識・経験を積み上げていくことが必要であり、また、新しい情報技術の活用による、業務の効率化によって、人的資源をレファレンスサービス等の充実に活用できるものと考えております。
いずれにしましても、市民ニーズに適合することを第一義に、効率的で利用者に満足していただける図書館とするため、今後ともさまざまな視点から勉強をいたしまして、生涯学習時代にふさわしい図書館づくりを進めてまいりたいと考えております。
●のりこのコメント:
*豊橋市立図書館の歴史はまもなく100年を迎えるほど古く、また、古文書(「羽田八幡宮文庫」)、外国教科書・絵本・美術書3.3万冊の「司文庫」など、貴重な蔵書収蔵が特徴です。(7月5日まで司文庫展〜開設35周年〜「本の中の水族館」開催中。是非、図書館へ!アマゾンの魚」などお楽しみ下さい。)
*豊橋市の問題は、図書館数、職員数、図書費の不足が顕著です。
*全国の図書館サービス状況から見て、豊橋市の図書館は、蔵書数は30万規模を達成するものの、図書館数、専任職員数、雑誌・新聞費は、10〜15万都市規模、図書費では20万規模ですが、視聴覚費、人口当たり資料費は低すぎて・・・。
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*参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「図書館雑誌Vol.103.No.5 P313 貸出密度上位の公立図書館整備状況2008」の「30万人〜」と「豊橋市」の数値←()内は豊橋市
・図書館数5.5(2)/図書館専有延床面積(u)11881.2(6395)/自動車図書館数(台)1.8(0)
・専任職員数58.3(27)/うち司書39.7(6)/司書率0.7(0.22)/非常勤・臨時職員数67.4(21)/うち司書40.7(14)/委託・派遣職員数4.3(0)
・蔵書冊数1197856.7(931083)/うち開架冊数798139.0(238945)
・図書年間購入冊数60490.3(32203)/雑誌年間購入種数948.0(276)/新聞年間購入種数68.5(33)
・登録者数164351.7(188398)
・貸出点数3727459.5(1485946)/人口当貸出点数9.5(4.1)/予約件数446460.2(34028)
・図書館費(経常費・千円)455790.8(223457)/資料費(臨時含む・千円)118540.8(80000)/うち図書費83151.0(72300)/うち雑誌新聞費12402.3(7200)/うち視聴覚費4324.2(400)/人口当資料費(円)301.9(220.5)
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