2003年(平成15年)11月13日
豊橋市長 早川 勝 様
とよはし市民会議 渡辺則子
はじめに
「平成16年度の予算編成について」において、市民が望む行政サービスの効果的提供、活力あるまちづくりの推進のために、これまでの枠組みにとらわれることなく、メリハリのある事業選択と健全な財政運営に努められる方針が明記されております。とよはし市民会議では、財政難の折故にこそ、行政施策の構造的転換を図り、長期を見据えたソフト事業の展開を期待しています。
その第一を「市民参画」に置きます。社会教育の施策の充実を通して、市民がまちづくりに関心を持ち、参加する機会を拡大することが必要です。
次に「機構改革」を通して、関連部門の整理、計画等の精査を断行するなかで、NPOや市民との協働をさらに進めることが必要です。すでに本市で実現している協働については予算化が評価となり、いっそうの前進が期待できます。
第三に、「子ども・教育・環境・まちづくり」は市民の最大の願いであり、実現には長期にわたる上に、数値評価されない部分が多いため、予算編成にあたっては、いっそうの関心と重点化が求められます。
以上の3点を中心に置き、「とよはし市民会議の予算提案」を提出します
1. 子ども施策
@「子ども課」を設置し、乳幼児からの子どもの心身の発達を支援するための機構改革を図り、縦割り、重複部分をはずし、関連部門との連携で効率化を進める。
A「豊橋子どもの権利条例」の制定を豊橋市の施策の重要課題とし、これからの豊橋を担う人材の育成を進める。
B現在進行中の子ども関連の諸計画を精査し、一貫した計画としての、「豊橋子ども総合計画」を作成する。
C松葉に計画中の子ども施設整備を進めること。
・施設の愛称を広く募集し、親しめる施設への準備を進める。
・「子ども・家庭支援総合センター」と位置づけ、市内の子どもの居場所(保健所、中央公民館<家庭館>、女性会館、子育て支援諸施設、児童館、学童保育、保育園、幼稚園、乳児院などの養護施設、小中高等学校、麦笛広場、聾学校、養護学校、市民館、町公民館等)において、子どもの笑顔があふれるための、さまざまな支援を企画・立案する。
D胎児、乳幼児期の心身の育ちを支えるための施策を充実する。
・市民病院では不育児医療体制を整える。
・重度心身障害児をはじめとする子どもたちが、さまざまな立場の子ども、人々と日常的にふれあうための交流の場を常設する。
・虐待防止等のため、24時間電話相談を実施し、市民に周知する。
・4ヶ月健診時における徹底した子育て支援を進める。そのために未受診家庭ゼロ作戦、ブックスタート事業の充実策のひとつとして, 絵本の配布等の検討を進め、心と体の発達を支援する。
・療育センター建設計画:
計画策定中の会議と会議録の公開。
父母との協働を進めるために、父母の意見を尊重し、その実現に努め、開設にいたるまで、父母の参加により進めること。
・中央公民館に常設の子ども専門館的機能を充実し、子育て自助活動グループへの支援として、会場使用上の便宜を図る。
・駅前、まちなか、市民館、公民館等の子育てサロン等の取り組みを進め、
2.学校図書館
本市の学校図書館の充実は、授業支援に留まらず、着々と効果をあげてきています。学校環境整備の最前線として、「人」「資料」「施設」へのさらなる予算化を望みます。また、公共図書館が学校図書館を支援するための仕組みを整える。
@ 学校図書館司書の全校配置
A 司書予算を「謝金」から「人件費」扱いとし、勤務時間の増大を図る。
B 図書購入費の増額
C 学校施設の中心となる図書館の改造・整備を進めること
D 学校図書館支援センター構想を進めること。
3.公共図書館
@ 豊橋南部地域図書館建設を具体化するための検討を開始する。
A中央図書館の資料、サービスの充実を図ること。
B「郷土史」資料の充実を図ること。
4.教育委員会
・会議公開の範囲を拡大すること。
・子どもに関わる緊急課題などへの対応を柔軟にし、委員会を活性化する。
・動く教育委員会として、各委員が独自の活動を展開するよう支援する。
・ジェンダー・イーコルの教育の具体化を支援する。
5.環境施策
@ 「生ごみ堆肥化市民プラン」を支援し、農業問題を結ぶ機会を創出する。
A豊橋市版「残土条例」の制定を通して、山林農地の環境を守る
Bガス化溶融炉運転3年目にあたり、スラグの埋立ゼロ、脱塩残渣の減容、運転経費の削減などを通して新型炉の経済性を立証し、ゼロウエイストを目指す。
C地下水保全対策、節水型社会、環境配慮型農業のさらなる進展を。
D砂防対策として、よしずの利用による海岸保全への実験に取り組むこと。
6.市民との協働で誰もが生き生きするまちを作るための障害学習の充実
・市民協働のための独自講座を市民館が企画し、市民の参画力を支援する。
・市民活動促進のために、市民センターの利用を進める。
・高齢者が自ら参加できる規模の「町内集会所サロン」の開設支援
・市公民館、市民館、町公民館等の子育てグループの会場使用上の支援策
・市公民館、市民館がまちづくりセンターとして機能するために社会教育主事を配置する
7.誰れもが安心して行き来できる生活の道づくり
@主要駅、病院、施設の周辺の道のアクセス確保
A高齢者の多いまちから、「道」問題の解決(段差、かまぼこ型、街路樹など)
B豊橋駅、市民センター、母子保健センター、市役所、豊橋公園、総合福祉会館、文化会館、郵便局をルートとする巡回バス等を民活利用で開設する。
8.市民の財産の有効活用のために
・南部農協跡地、鍵田町の青少年ホーム等の利用方法を検討する。
9.住基ネット
・「住基カード」の発行枚数を減少させるか廃止する。
10.文化のまちづくり
・丸山薫賞を市民の誇りとするための、市民講座の開設
・市民の表現活動の支援策として、美術館での作品展示の機会等を増やす。
・三河の3大文化人である、冨安風生、丸山薫、杉浦明平の関連資料等のネットワークを進めるための支援をする。
11.広報について
・市民が親しめる紙面とするために写真の活用、わかりやすい言葉で伝える努力、一目瞭然のレイアウト、類似する内容をページで配置するなど。
・市民の情報提供を積極的に進めるため、広報」の紙面、内容、表現を市民の目線で作成する。まず特集部分を設定し、協働作業に取り組む。