少子化、高齢社会、財源不足、そして内外の政情不安が追い討ちをかけるなか、この先半年を予想するだに困難ななか、平成23年から10年間の豊橋のまちづくりの方向を決める「基本構想」はどうあるべきなのか。「構想策定の趣旨、まちづくりの基本理念、目指すまちの姿、まちづくりの大綱(6分野)そして構想実現のために」の資料に添って順に質疑しました。
活力、魅力、健やか、心豊か、環境、安心、快適、利便性…を網羅するまちを誰もが望んでいます。が、どこまで実現できるのか。どれを優先するのか。また、市民の負担を求めるならば、その前に、行政が信頼されていなくてはなりません。そして議会は、活発な議論を経て、合意にいたった結論の説明責任を果たす必要があります。これまでの策定のプロセスで行政や議会が信頼され、市民の皆さんの声を十分に受け止めたと言えるのか。私自身は意見交換会や意見提出などを経て、特別委員会に参加しているにも関らず、「議会」の取組みが不十分であったことを反省しています。
3日間連続した審査は質疑時間は一人一日30分以内と定められ、かなりきつかったのですが、とよはし市民会議がこれまでの10年間で取り組んできたまちづくりを振り返ることになり、今後のまちづくりの方向を明確にすることができました。来年の春に向け、とよはし市民会議の新プランに盛り込みたいと考えています。
最終日に「基本構想」の賛成討論を行いました。
第5次基本構想 賛成討論原稿 渡辺則子
とよはし市民会議は議案第120号豊橋市基本構想について賛成の立場で討論いたします。
変動の激しい時代の中で、これから10年間のまちづくりの方向を決める上で、少子高齢社会と財源不足に加え、内外の政情不安定は間違いなくものとなっています。本構想では、私たち一人ひとりが、身近な「生活」や「地域」から、国、世界、次世代へと視野を広げながら、「輝き支えあう水と緑のまち・豊橋」を目指して、基本理念を「ともに生き、ともにつくる」と掲げられました。
先の10年間には子育て支援、地域福祉、市民協働、男女共同参画などへ市民参加の流れが進み、いよいよこれからは、こうした計画や条例を生かして、私たち一人ひとりが「ともにつくる」時代に入っていくことになります。そのためには私たち市民・事業者・行政が、ともに学び、議論する機会と場が保障され、「継ぎ目のない」連携によって、共通理解を産みだす努力が求められています。
とよはし市民会議は今回2度目の基本構想の議決に際して、市政の最重要課題である「水」問題に注目して参りました。第3次・4次の基本構想に掲げられてきた「水とエネルギー」「設楽ダム」は第5次基本構想においては新しい段階を迎えたこともあり削除され、基本計画において「設楽ダムの建設促進」と記載されています。「輝き支えあう水と緑のまち・豊橋」の最重要項目を「水」と考え、私たちのその「水」は、豊川上流山村に全面的に依存していることを片時も忘れず、まず、今後の5年間において、設楽ダム建設中止を含め、「ともに東三河に生き、ともに輝くまちをつくるために支えあう」視点を探り続けていかなくてはならないと考えます。豊橋市が豊川下流域を代表して、勇気を持って「新たな誠意」を示すとき、近隣市町村との結びつきが強化され、また、現存する河川施設の有効活用や農業用水の適切利用により、東三河地域の水環境が守られ、改善することを確信しています。
「市民が主役」とは、まちづくりの方向を決めるのは、私たち一人ひとりの決断から始まると謳う第5次基本構想についてとよはし市民会議が賛同する根拠は、環境・福祉・教育・子育て・まちづくりの諸課題に対して市民参加と協働が着実に進み始めていることを実感しているからです。本基本構想のもとで、私たちのまち・豊橋が平和への願いをベースに、賢明なる選択により、東三河の真のリーダーとして歩み始めることを祈念いたしまして、賛成討論といたします。