1月11日(日)キルト展最終日
青山さんが渥美・保美から、仕事を終えて美術館へ駆けつけられると、さっそくギャラリートークが始まります。このキルトがどうして今ここにあるのかなど、説明を聞くことによって、作品がいっそう身近になります。また、キルトを実際に作っていらっしゃる方からは、貴重な情報を頂くこともできます。
小学校の子どもたちが三人駆け込んできました。ここではおにごっこもかくれんぼもできません。私は作品について話しかけてみることにしました。真剣に耳を傾むけてくれました。嬉しかったです。(中学生のころ、担任の先生が希望者を募って「日展」を見に連れて行って下さったのが私の初めての美術館体験です。)
キルト展会場にはお母さんに連れられた幼い子どもさんたちの姿もありました。ひとり離れて、何度も戻っていく先を見ると・・・「赤ずきんちゃん」のキルトがありました。
男性や高齢者の方々の多っかたことも今回のキルト展の特徴です。車椅子で施設の方々が来られて時は、あいにく一番込み合っている時間帯でした。会場(講義室)では、20名までが限度だと思います。壁にかけられた作品の全体を、遠くからもしっかり見て頂きたいと、作品の配置を2度変えました。
入場無料であることを「本当にいいのですすか」と確認される方、帰り際、受付に深々と頭を下げて「良いものを見せて頂きました」「心がやすまりました」「原点を見せて頂き、改めて作り始めたいと思います」などの言葉を、多く残して行かれました。会場内のメモには、「次回は?」「有料でもいいです。」「名古屋で是非開催を。」とのメッセージもありました。
美術館での開催のため、「お手を触れないで下さい」とのルールはかなり守られていると思いきや、実際に作成中の方々にとっては、針の進め方、裏側の様子など、直接手にとって確かめたい気持ちについ、つい駆られてしまわれるようです。ことに混雑していた時には、会場係りは何度も「お願い」を繰り返す必要があったと聞きました。
ギャラリートークは、出展者の作品トークだけでなく、来場者の方々の身につけていらっしゃる手作りの作品へと、また、はじめて作品の前で出合った方々が、そのままロビーのソファーへ移ってお話が弾む様子も目にしました。
200年余を経てきたキルトが、アメリカから日本に渡り、ここで展示されることで、新たな出会い=新しい命をもったキルトとして誕生したのです。私は大切に伝え続けていかねばならぬものは何かを、キルト展から学び続けています。今は、見るたびに新しい「発見」があることです。今年はどんな新しい出会いがキルトを通してもたらされるか。楽しみです。
受け付けで入場者数をカウントしました。6日間の合計は1,939となりました。また記帳された方の中で、市外から来られた方は200名に上りました。東海三県、静岡県、関東地方、兵庫県からとあり、いかにキルト展情報がすばやく伝達されたかが分かります。
昨年の第1回キルト展に比べ、今回は公共施設での開催のため、市外から来場下さる方へ会場案内や駐車場配慮にも安心できました。初日の展示会場の様子をティーズや新聞により報道されたことにより、短期間に、情報が伝わったこと、また、多くの貴重な展示品を身近に見ることができる満足感が、多くの方々の来場を呼ぶことなったと思います。
満足と楽しみと発見と、そして大切にしたい「時間」について、年の初めに考えるきっかけを与えて下さった、Dee'sアンティークキルトコレクション・青山真知子さんに感謝します。